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下町のえんぴつやさん

絵本作家へのみち。

第14話 おしえるということ

 

 

こんにちは!

 

春眠暁を覚えず。

夏も秋も冬も覚えられず。

 

 

 

今日もしっかり寝坊しました、さえこです。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、大阪府大東市にある

地域生活支援センター「あーす」にて

アートスクールのオオノ先生が担当する

講座を見学させていただきました。

 

 

 

 

 

 

「あーす」の施設自体は、

過去に鬱病だった方や

今もそれに苦しむ方が社会復帰を目指す場です。

 

 

 

 

 

 

全4回を通しての講座で、

昨年は絵本を作ったそうですが、

今年はたからばこ作りと塗り絵でした。

 

 

 

 

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先生の字めっちゃ個性的。笑

 

 

 

箱作りの方は、

画用紙に好きなシルエットを描いて

切ったものを空き箱の上において

絵具をつけた歯ブラシをこすって描く…

 

という口では説明しづらい技法でやりました。笑

 

 

 

 

水がついた歯ブラシをこすると

水がはねますよね。

それにインクがついたものと思ってください。

 

 

切り取った画用紙をおいてインクを飛ばすと

そのシルエットが浮き出るのです。

 

画材さえあれば初心者でもやりやすい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の見学を通して

普段教える立場の自分を

見直すきっかけになりました。

 

 

英語を教えるとき、

文法の基礎から理解させるようにしています。

「なんでこういう意味になるのか」

「なんでこういう語順になるのか」

できるだけ順序立てて話すようにしています。

 

間違えたらなぜ間違えたのかを

その子がわかるまで説明したい。

 

 

 

 

 

 

 

でも絵を教えるということは、

色遣いや技法を順序立てて教えることよりも、

作っている人の意図や気持ちを一番に

大切にしなくちゃいけない。

 

 

 

 

「桜は青色にしたい」

という人がいて、

「桜はピンク色だからだめだ」

という当たり前のことを押し付けるのは

 

絵の世界では

その人の可能性を狭めてしまうだけなんだと

気がつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、小中高と
図画工作・美術の時間が苦手でした。


もともと「描く」こと自体得意じゃないし

立体を平面に描くことが難しいと感じていたし

頭の中の「これ描きたい」を
絵にすることができなかったからです。

 

 

 

 

 

 

 

それで、今習っているオオノ先生は

美大にも通っていなければ

誰かに絵を習ったわけでもない。

 

 

 

学校の美術の授業では認められなかったけど、

油絵を模写していたから「先生」は

巨匠とよばれる画家たちだと名言されています。

かっこいい。

 

 

 

 

 

そんな独学で学んだ先生だからこそ、

デッサンも基礎も何もできないわたしに

きまりきったことだけを教えるのではなく

 

「このくじらは黄色なんです」

とか

「この机はこんな形なんです」

とか

下手な絵をええやん!って褒めてくれて、

わたしの自己肯定感を高めてくれる。

 

 

「こうしたいんです」というイメージを

いろんなアドバイスで導いてくれる。

 

 

 

だから、最近は変なコンプレックスも

なくなってきました。

 

 

 

 

 

 

 

昨日わたしも描き方をおしえる側になって、

作っている人の意図を聞き出して

納得のいく作品にすることが

おしえる側には必要なんだなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとこの気づきを通して

ワークショップへのハードルも下がりました。

 

誰でも取り組めることを中心にやっていけば、

できることは無限大!

 

 

 

あとはファシリテーション力的なものを

もっと磨かねば…。

 

 

 

 

 

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一緒に描いてたらこんなになってた。笑

 

 

 

 

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「祈り」

 

独りぼっち 夜

今夜届いた 世界の知らせに
痛いという こころ

 

画面の先に 泣く人
あなたのそばで 一緒に泣けたら
画面の向こうに 飢える人
今日のスープを 分けられたら

 

世界は変わろうともしない

ただ
あなたに贈る祈り 平和の

 

ひとり 想う夜

 

 

(「pray (祈り)」というテーマの詩の募集に出しました)

第13話 せんせい

 

あけましておめでとうございます。

(遅い)

 

さえこです。

 

 

 

 

 

 

 

まずはご報告です。

1/10(火)〜2/5(日)の期間、

代々木villageのコンテナートという紅茶屋さんで

「絵馬展」開催中です。

 

 

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参加させていただいてます。

 

 

作家として初出品…!!

 

残念ながら東京なので、

いつもいつも応援してくださっている方に

直接お見せできません…_(:3 」∠)_

 

 

コンテナートイベントページ

http://contenart.main.jp/2016/12/28/イラストレーター達による絵馬展2017」2017年1月10日(/

 

 

 

 

他のプロのイラストレーターさんたちに

混じっているので

ちょっとあれかもしれませんが笑笑、

 

ぜひ探してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今日は嬉しいことがありました。

 

「せんせい!大学合格したよ!」

わざわざ言いにきてくれた生徒。

 

 

 

 

 

そして、気の滅入ることもありました。

 

「せんせい、おれ生きててもしゃーないなって思うんすよ。」

吐き出してくれた生徒。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしはこの3月で教師を辞めます。

 

 

現在働いてる通信制高校では、

「先生が嫌い」という子が多い。

 

 

 

 

 

でも、彼らは

わたしのことを嫌いとは言いません。

 

ただ「先生」が嫌い。

 

(中にはわたしのことを嫌いな子もいるかもしれないけど。笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、ずっと「いい子」でした。

宿題はちゃんとやるし、

提出物もほとんど出す。

 

だから

特別先生に目をつけられることもなく

日々の授業をおとなしくこなし、

それなりにクラスの子たちと楽しく過ごすような

真面目な生徒でした。

 

(と自分では思ってる。)

 

 

 

先生のことを好き

…ではなかったかもしれないけど

 

嫌いではなかったです。

 

 

 

いろんなことを教えてくれるし、

勉強は苦ではなかったし。

 

 

 

 

 

 

ただ、そういられたのは

家で話を聞いてくれる母や姉がいて

遊んでくれる友達がいて

青春を共にできる部活仲間が

いたからなんだなあ

最近考えたりします。

 

 

 

 

 

 

 

通信制高校に通う生徒たちは、

夢にむかって突き進む子もいるけど

 

過去に何かしらの挫折やトラウマがあって

今にも崩れそうな子もいます。

 

 

 

 

 

 

彼らにはすごく強い芯が根強くあって、

いろんなことを考えてる。

 

 

ほんとうは希望に溢れているんだけど、

 

家と学校、バイト先くらいの世界の中では

それを受け入れてもらえず、理解もされず、

個人としてみてくれないから

「先生嫌い、学校嫌い、この社会だるい」

になるのかなあ…なんて。

 

 

 

ただ机の前に座り続けるのが

しんどい子も少なからずいますが。

 

 

 

 

 

 

じゃあ先生は何もしてないのかと言うと

そういうわけじゃない。

 

 

 

ちゃんとひとりひとりと向き合って

本当の本当に考えていることを知りたい

と思っているはず。

(と、願いたい。)

 

 

 

 

でも、

授業の準備、成績処理、部活の顧問、会議…

そして、帰ってからのことまで

考えなくちゃいけない。

 

 

 

全日制高校ではひとクラス30〜40人いて、

通信制高校もどんどん生徒数が増えてます。

 

ひとりひとりと真髄まで向き合っていると

とてもじゃないけど時間がない。

 

 

 

 

 

ひときわ目立った行動をおこしたり

手に負えないような問題を抱えていなければ

 

時間との勝負の世界で

目に止められないんだと思います。

 

 

 

 

 

 

ただ、

みんな同じように悩んだりしているから

「先生はわたし・おれのことなんかみてくれてない」

=嫌い

になってしまうのかなあ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

よくよく話を聞くと

「生きててもしゃーない」というその子は

やりたいことも夢もあるけど

どうしたらいいかわからず

途方に暮れている感じでした。

 

 

 

 

 

ああよかった、と思いつつ、

 

どんな話をしても

だって・でもの繰り返しだったので

 

わたしから提示できる

選択肢は全て話して

 

「今日は帰り。」と言いました。

 

 

 

 

 

話聞いて欲しかったんやろなあ〜〜

この一言で嫌われるんかなあ〜〜

と思いながら

 

 

 

 

わたしはカウンセラーではないし

 

結局はその生徒が

決断しなくてはいけないので

 

 

 

 

自ら道筋を作っていってくれることを願って

今日はこれにてせんせいの時間を終わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニュースとかみていると

教員がやらかしたことしか取り上げられなくて

印象悪いけど…笑

 

 

日常はとてもたのしいものなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

さ、そろそろ絵本進めねば!

 

 

 

 

第12話 きゃらくたーができるまで

 

こんにちは。さえこです。

 

 

 

あっと言う間に12月も半分が

すぎちゃいましたね。

 

つい2ヶ月ほど前に

「あけましておめでとー」なんて

言っていたような気が…

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はわたしの

キャラクターのつくりかたについて

書こうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

アートスクールに通い始めて

1年と8ヶ月が経ちました。

 

「絵」をちゃんと

習ったことのないわたしにとって

 

 

「絵」はとても難しく

ハードルが高いものでした。

 

 

 

 

 

アートスクールで始めて描いたのは

どいかやさんの「チリとチリリ」を

色鉛筆で模写したものでした。

 

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↑原画

 

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↑模写

 

若干の色の違いがありますが

模写は得意かもと思って

 

どんどん模写をしました。

 

 

 

 

 

 

 

模写には2つの理由があります。

 

1つは絵の構造を学ぶこと。

 

もう1つは画材を使ってみること。

 

 

  

 

 

 

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↑原画(「つみきのいえ加藤久仁生さん)

 

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↑模写

 

 

 

 

 

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↑ 原画(2015年ボローニャ国際絵本原画展受賞者作品)

 

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↑模写

 

 

 

 

 

 

他にもたくさん模写をしました。

 

 

色鉛筆・パステル・アクリル・アクリルガッシュ… 

筆の使い方や筆以外の道具も使ったり。

 

 

 

 

 

 

 

模写をすればするほど

 

色の作り方も慣れてきて

 

どんどん楽しくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして「さあ、自分の絵本を作ろう!」

となったとき。

 

 

 

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「じゅんちゃんのらくがき」のじゅんちゃん。

 

 

画材がまったく決められませんでした。

自分がつくりたい作品はあるのに

キャラクターが定まらず、

 

 

何回も何回も文章から書き直して、

 

描いては推敲、直しては絵を変え、

という作業を続けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

アクリルガッシュで描きたかったんですが、

どうしても相性が合わず。

 

 

 

水彩絵の具を使って描くことに。

 

 

 

 

他の生徒さんは、

キャラクターから考えるそうです。

 

絵をずーっとやってきた人は

描きたいものをカタチにするのが得意みたいで、

 

 

 

わたしは文章から書くのと

イメージする世界をカタチにすることが

まだまだ苦手で。

 

 

 

逆にキャラクターから考える人は

文章を書くのに時間がかかると

言ってました。

 

 

 

 

水彩に合うような男の子に、

ということを意識して。

 

 

 

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そしてできたのが

このじゅんちゃん。

 

 

この絵本は無事完成し、

いまはコンペの結果待ちです。

 

 

入賞できますように!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほんとは、

林明子さんのような

細やかで暖かい絵を

「描きたい」と思っていました。

 

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「こんとあき」表紙

 

 

 

 

でも、わたしが「描ける」のは

全然違う絵でした。

 

 

 

 

 

 

 

この約1年半を通して、

描きたいものと描けるものの差に

 

たくさん戸惑いました。

もっと「上手く」なりたい!と

必死だったんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、

絵を描くことは好きになりました。

 

 

なんなら

20年弾き続けているピアノよりも

自信を持ってるかも。

 

 

 

 

 

「わたしはこんな絵が描けるんだ!」

と思ってから

 

 

絵を描くのが楽しくて楽しくて。

 

 

誰にも描けないような

絵を描こうと思えるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は「文章」についても書きます。

 

 

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つぎはくじらの絵本。

 

 

 

 

 

 

第11話 ながつき


2ヶ月!60日!
ブログ!さぼってました!

さえこですよー!









9月も下旬にさしかかり、
秋の足音が聞こえてきました。




今朝は
わたしのもとに秋が来たようでした。






夏の暑さに慣れた肌が
「あれ?こんなに寒かったっけ?」
と、わたしに聞くので


「うん、せやで。」
と、教えてあげました。






何話か前に、
「みなづき」の話をしましたが

9月は「ながつき」。


これも古典の先生が教えてくれました。





稲の穂が重みで
ながーくなって垂れてくるでしょ、



秋雨は細く降り続けるし、



夜もだんだん長くなって
知らぬ間に
「秋の夜長に」というフレーズを
よく聞くようになる。


それで、
「夜長月」から
「長月」になったのよと。








あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかも寝む


という柿本人麻呂の歌に
えらい感動した覚えがあります。


「山鳥の尾のようにながーい夜に、
あなたにあえず
ひとり寂しく寝るんだろうか」




みたいな現代訳だったと思います。





山鳥みたことないけど、

とにかく山鳥は長い尾っぽで
それを秋の夜にかけて詠んだこの歌に
えらい感動しました。







たしかに、



夜が長くなると
「想う」
という動作も、
比例して長くなる。


何を、というわけではなく
ただとにかく「想う」。






それは大切な人のこともそうだし

あるいは
星のこととか
世界のこととか

考えることはたくさん。







まあ基本的に電車でもボケーっと
してるんですが、


時間を有効に使うために
常に本を一冊
カバンにいれておくのを心がけています。






あ、最近西加奈子さんの小説に
どハマりしているんですよ。




まず
「きいろいぞう」で
関西弁が読みやすくてすーーっと
読めてしまったのがきっかけで、




西加奈子コレクションが
増えてきてます。




「こうふく  みどりの」

という小説。
関西弁。しかもばりばりの。

面白くて、2回よみました。





みどりちゃんという主人公の日常と

中学生の彼女が
彼女自身のこころの変化に戸惑いつつ
成長していく姿が、よかった。





「なんやよーわからへんけど、」
とか
「◯◯らしい、よーしらんけど。」
とか


自分が日常的に考えている言葉が
そのまま本の中に書かれてて
関西の人、
特に大阪の人はおもろいんちゃうかな。






「あー、たしかに、こんな表現するよな、関西人。」
と気づかされて、おもろい。




かなりコテコテの関西弁なので
「うちはこんなんつかわへんな」
っていうのもあります。






西加奈子さんの綴る文章は

なんだか詩的で
絵本の文章みたいで
わたしは読みやすいです。









食欲の秋、スポーツの秋、
いろいろあるけど



秋の夜長にひとりで読書
なんていうのもいいですね。











そうそう、
最近部屋にこんなのが出ました。

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その名もアシダカグモ

大きさはだいたい
CDぐらいですかね。



ゴキブリや害虫を食べてくれる
益虫らしいのです。



それはありがたいんだけど、

3日ほど部屋で同棲しましたが
なかなかそのビジュアルに
慣れることができず…(´・ェ・`)







アシダカの くもの足の 八つ足の
ながながし夜を 怯え過ごさむ









…なんてな。


秋は短い。でも、長い。










明日から10月!!!









※くもさんは昨夜無事にお外へ放り投げました。笑


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じゅんちゃんの おおきな にこにこを

さいごに かいて

じゅんちゃんは 

おかあさんと いっしょに

おうちにかえりました

第10話 すまほのじゅうでんがきれた



スマホの充電が切れた。
電車の中はスマホをみることが多い。
メッセージの返信やったり
TwitterとかFacebookとかのSNSやったり。

そういえば「えすえぬえす」って何の略なんやろ。




本も忘れたし、暇やな。
ふと、顔をあげてみた。



通路はさんで向こう側の座席の端っこで、金髪のねーちゃんが必死になって足にバンドエード貼ってる。


手をぱあっと広げて、親指から小指までの距離ぐらいのヒールのあるサンダル履いてはる。



そんな足痛いんやったら、履かんかったらええのに。



ほんで頭プリンなってる。
かがんでるから、丸見えやで。
ちょっと髪伸びてきて、黒髪がみえてて、黒髪と金髪の比率がプリン。
ほんまうまいこと言うてる。
誰が最初に言い始めたんやろ。




わたしの両隣はスマホみてる。



左隣はサラリーマン。
可愛い女の子が出てくるゲームでにやにやしてる。
「んふふっ、もう、◯◯さんったら、早く帰ろう♪」
…って言う髪の毛青色で、ピチピチの制服着てる高校生ほんまにおったらびっくりするで。


右隣はおばちゃん。
ちっちゃい「っ」打つのに
た、ち、つ、て、と、っ
っていちいち打ってる。
スマホやのに、スマートじゃない。




そういえば大学のとき、
スマートフォンを、なんでみなさん"スマフォ"って言わずに"スマホ"って言うんですかね〜?」
って言うてた先生おったな。
たしかに!って思ったけど、
「うちのスマフォがさー」
って言うと、ちょっと粋がってるみたいで嫌や。




通路はさんで向こう側の座席が全部埋まった。
金髪のねーちゃんの反対側の端っこには、いちゃいちゃしてるカップルがおる。
電車の中でちゅーすんのは、ちょっとないわー。
女の人酔っ払ってるけど、酔っ払ってるフリしてるだけな気がする。
でも男の人も、顔、でれでれやし、なんかこっちが「ここにおってごめんなさい」みたいな気持ちになるわ。




そのカップルを除いて全員が、スマホをみてる。
なんや真剣に、何か打ってる人もおれば、動画か何か見てにやけてる人もおる。



うち、今までどんな顔してスマホ見てたんやろ。





電車が発車した。

右隣のおばちゃん、やっと3行目。
変換にも時間かかってるみたい。
 


吊られてる広告に美術館の宣伝。
ヴェネツィア展  魅惑の都市の500年」
えっと、
ヴェネツィアってどこやったっけ。
中学の社会の授業で出てきた地名の、はず。
「べねちあ」って先生言いにくそうやって、覚えてんねん。




次の駅で、どわーっと人が乗ってきた。
飲み屋が多い駅。




顔真っ赤のおっちゃんが嬉しそうにしてる。
いかにも社会人1年目ですみたいな人が疲れた顔してる。
やっぱり顔は赤い。




うちの前に立った綺麗なお姉さんは、キラキラの爪がついた指でスマホをいじってる。
その爪で頭とか洗ったりしてはるんかなあ。


足細いなあ、ええなあー。

…パンスト破れてる。







ぼーっとしてたら次、降りる駅やった。
そういえば音楽。

ウォークマンの電源も今日の朝きれた。
昨日の段階で電池1個やったから、やばいなーって思っててんけどなあ。
家帰ったら忘れてまうねんな。
朝いけると思ったら、あかんかった。





ウォークマンの「充電ないです」の表示と警告音、なんや知らんけど、イライラするわあ。
わかってる、うるさいなあって思う。






降りる駅。
ニヤニヤサラリーマンと、スマートじゃないおばちゃんも一緒の駅やった。
また会っても気付きませんように。

笑ってまうから。






なんでか「dマガジン」が言われへん渡辺直美のCMを思い出した。
渡辺直美と友達になりたい願望は誰よりも強いと思うわ。







あ、そうや、スマホの充電きれたんやった。
時間わからへん。


腕時計は仕事以外はあんまりしたくない。
なんか息苦しい。




でもこういうとき、スマホに頼りすぎてたなーって思わされる。







うちら人間は、「便利さ=豊かさ」って思ってる。
でもそれは、大きな勘違いやと思う。



ロボットが賢くなればなるほど、人間は漢字も書かれへんなるし、計算もできひん、地図も読まれへん、挙げ句の果てにはリモコンさえも取りに行かへんようになる。




24時間、1秒たりとも電波から逃げられなくなって、人間がロボットを支配しているように見せかけて、人間が支配されてるような気がする。







スマホの充電が切れなかったら、ここまで考えることはなかったやろう。
けど、スマホの充電が切れてなお、スマホのことを考えてる自分に気づく。




明日から1週間くらい、スマホなしの生活してみよっかな。










家に着いた。
返事せなあかん連絡きてたのを思い出して、細いコードとスマホをつないだ。



そのまま返事をして、友達とLINEして、スマホでアラームをかけて、寝た。









これが、日常やった。








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西加奈子さんみたいに書きたかった。

第9話 みなづき


6月。



高校時代、ふと疑問に思って、
「6月は梅雨の季節なのに、なんで水が無いって書くん?」
と、古典の先生に聞きました。


目が細くて、
背が低くて、
かわいくて、(というと失礼だけど)
大好きな古典の先生が教えてくれたのは、




「諸説あるんやけども、無は"の"っていう意味やねん。助詞の、"の"。
だから、本当は水の月ってこと。
田んぼに水を張る季節だから、そういう名前になったのよ。」

……そういうことやったんか…!
先生、すごいな……!!

と思った衝撃を、
わたしは今でも忘れません。




それを知ってる先生もすごいし、
ぱっと答えられたのもすごい。





ということを思い出していると、
"June"(6月)の由来知らんな…

ということに気づき、
先生として、
ひとりの教える立場の人間として、
そんな話もできるようになりたいなと思いました。










先日、
2年間インターンをしていたD×P(ディーピー)で
仲良くしてくれていたたくとと再会しました。


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彼は、大分県の湯布院にある
「時のかけら」というゲストハウスで
住み込みで働いています。




4月の熊本地震の話と、
ギターの話と、
わたしのユメの話と…


いろんな話をしました。


たくとは、
小さい頃からギターを弾いていて
しかもそれがクラシックギターなので
ピアノをやっているわたしと
話が合ったり合わなかったり…




彼と話していると
数え切れないぐらいの
気づきがあります。


 

その気づきの中で一番大きかったのは、
いかに自分のやりたいことを貫くか
ということで、
「いかに」という部分が重要です。





彼も、ギターを続けたいけど、
いまの状況じゃ難しいときもあるようです。
弾いてないと鈍ってしまうし、
地震があってギターどころじゃないし、
そのもどかしさが
いまの自分に似ているなあと思いました。


そしてたくとは、
穏やかで気を遣わなくていいなあ
とも思いました。
(たくとは4歳年下。笑)





そして話は変わりますが、
初めてカンボジアに行ったのは2012年8月です。
スタディツアーで参加しました。

総勢30人くらいの大所帯で、
あれから、全国に会いたい人が増えたんだなあと思います。
別の時期に参加した仲間たちも含めて、
昨夜再会しました。

もうすぐ、あの夏から4年。
あっという間に時間が過ぎてしまったけど
それぞれが一生懸命に自分の生き方を
貫いてるなあ
と、改めて、彼らを尊敬しました。


あのときの自分はどんなだったか忘れたけど
明らかに、変わりました。
どんな風に変わったかはわからないけど、
変わっていく中でもしっかりと
思い出は心にとどめておきたい。




「時間は待ってくれない」
という表現をたまに聞くけれど、
その時間の中でだれと過ごすか、
過ごす中で何を学ぶのか、
それによってわたしはいくらでも
つよくなれるなあとおもいました。




水無月がおわると、
2016年も折り返しにはいります。
1日1日丁寧に生きよう。



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つみきのいえ」より
 

さて、自分の絵本つくるぞ!

第8話 つつむ


こんにちは。
さえこです。

お仕事終わったなう〜
です。



そういえば、
職場まで1時間半くらいかかります。


と、言うと、
「えー!わたしやったら耐えられへん。」
みたいな反応をよく返されます。

「わたしもそれくらいー!」
みたいな反応もあります。


景色をみながらぼーーーーーっと
するのが趣味なわたしにとって、
この時間は苦痛ではありません。


大学もそれぐらいかかっていて、
「この時間もバイトができたら…」
と考えてましたが
いまはそれも思わなくなったなあ。

余裕がでてきたのかな。






さてさて、先週の思い出を書きます。

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鴨川です。
とーってもいいお天気で、
シロツメクサが道案内してくれました。





三条駅から一駅分あるいたところに、
「ミシマ社の本屋さん」という
小さな本屋さんがあって、
そこで装丁作業を
お手伝いさせていただきました。




そこを教えてくれたのは、
インターンをしていたNPO
広報担当さちさん。

京都に住んでいて、
素敵な本や場所を教えてくれます。






その本屋さんにいく4日前に、
とても会いたかった方にお会いして、
わたしの絵本の物語を読んでいただいて…

その感想がありがたくもあり、
悔しいのとよくわからないもので
もやもやしてました。




で、なんか、
新しく誰かに出会うのが
嫌になっちゃったんです。

自分をさらけ出すのが恥ずかしいというか、
いまはひきこもってたい
みたいなね。

「はじめまして、さえこです。」
って言うのも
しんどいなあ…
なんて思ってました。





でも、晴れてたし、
なんとなく行かなきゃいけないと思って
ドキドキしながら
なんとか到着しました。





装丁というより、この日は、
写真集をいれるケースづくり。


分厚い紙のような皮?を、
ぐしゃーっとを丸めて広げてアイロンがけ。
それらを型に合わせて折り込んで、
文字をいれていく。


人が触れると艶がでて
使い古した皮みたいになりました。




一過程、一過程に意味があって
ひとつひとつ誰かの手によって
つくられていく。

ひとりでもできそうな作業で、
だけど
ひとりじゃできない。


ひとりひとりが
違う力をもっていて、
知らず知らずに
発揮して、
ひとつひとつ
全然違うケースができる。


その過程が面白かった。





終盤になると、
わたしは最終段階の
文字のアイロン付けを担当しました。

文字は、不思議な粉でつけました。
アイロンであたためると
すーーっと紙にくっつく。

それをひたすらくっつける。



こういう、
端っこで黙ってもくもくとできる作業
大好きなんです(根暗)。




だから
いろんなケースに触れられたわけで、
ひとつひとつの
感触とてざわりが
心地よくてわくわくしました。


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こちらは写真家の吉田亮人さんによる、
バングラデシュのなめし革工場での
写真を綴った写真集と
写真展の案内リンクです。


5/31にはトークライブもあるらしいですが
行けなさそう…。
すごく残念…泣






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そして「偶然の装丁家」の著者
矢萩多聞さんにもお会いできて、
サインももらいましたー!!わーい!
(左の写真は吉田さんが撮ったもの)


この日は作業であまり話せなかったので、
いつかゆっくりお話してみたいな
と、勝手に思っています。


あと、
この「偶然の装丁家」の表紙が
ミロコマチコさんが描いたらしいです。

アートスクールの大先輩。





他にも、その場にいた方との出会いが
ありがくて。

ほんとうに素敵な日だったなあ。
 

ほわほわっと
やわらかいものにつつまれたような
そんないちにちになりました。



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「昨日みた夢の話をしよう」

昨日みた夢の話をしよう
大きな木が一本 こっちをみていたんだ
私はただ その木をみていた
暗闇からあなたが現れて
その木に歩み寄っていった

昨日みた夢の話をしよう
私はあなたを知らなかった
ただ その木とあなたをみていて
暗闇は 恐ろしくて
近寄れなかったんだ

昨日みた夢の話をしよう
私はあなたを知ってしまった
あなたは だれで
ほんとうに 夢だったのか

昨日みた夢の続きを知りたくて
あなたに ほんとうに 会いたくて
あの木の下で 待ってるよ

2016.05.04