下町のえんぴつやさん

綴る作業をするたびに気づく、内向的なわたし。

第10話 すまほのじゅうでんがきれた



スマホの充電が切れた。
電車の中はスマホをみることが多い。
メッセージの返信やったり
TwitterとかFacebookとかのSNSやったり。

そういえば「えすえぬえす」って何の略なんやろ。




本も忘れたし、暇やな。
ふと、顔をあげてみた。



通路はさんで向こう側の座席の端っこで、金髪のねーちゃんが必死になって足にバンドエード貼ってる。


手をぱあっと広げて、親指から小指までの距離ぐらいのヒールのあるサンダル履いてはる。



そんな足痛いんやったら、履かんかったらええのに。



ほんで頭プリンなってる。
かがんでるから、丸見えやで。
ちょっと髪伸びてきて、黒髪がみえてて、黒髪と金髪の比率がプリン。
ほんまうまいこと言うてる。
誰が最初に言い始めたんやろ。




わたしの両隣はスマホみてる。



左隣はサラリーマン。
可愛い女の子が出てくるゲームでにやにやしてる。
「んふふっ、もう、◯◯さんったら、早く帰ろう♪」
…って言う髪の毛青色で、ピチピチの制服着てる高校生ほんまにおったらびっくりするで。


右隣はおばちゃん。
ちっちゃい「っ」打つのに
た、ち、つ、て、と、っ
っていちいち打ってる。
スマホやのに、スマートじゃない。




そういえば大学のとき、
スマートフォンを、なんでみなさん"スマフォ"って言わずに"スマホ"って言うんですかね〜?」
って言うてた先生おったな。
たしかに!って思ったけど、
「うちのスマフォがさー」
って言うと、ちょっと粋がってるみたいで嫌や。




通路はさんで向こう側の座席が全部埋まった。
金髪のねーちゃんの反対側の端っこには、いちゃいちゃしてるカップルがおる。
電車の中でちゅーすんのは、ちょっとないわー。
女の人酔っ払ってるけど、酔っ払ってるフリしてるだけな気がする。
でも男の人も、顔、でれでれやし、なんかこっちが「ここにおってごめんなさい」みたいな気持ちになるわ。




そのカップルを除いて全員が、スマホをみてる。
なんや真剣に、何か打ってる人もおれば、動画か何か見てにやけてる人もおる。



うち、今までどんな顔してスマホ見てたんやろ。





電車が発車した。

右隣のおばちゃん、やっと3行目。
変換にも時間かかってるみたい。
 


吊られてる広告に美術館の宣伝。
ヴェネツィア展  魅惑の都市の500年」
えっと、
ヴェネツィアってどこやったっけ。
中学の社会の授業で出てきた地名の、はず。
「べねちあ」って先生言いにくそうやって、覚えてんねん。




次の駅で、どわーっと人が乗ってきた。
飲み屋が多い駅。




顔真っ赤のおっちゃんが嬉しそうにしてる。
いかにも社会人1年目ですみたいな人が疲れた顔してる。
やっぱり顔は赤い。




うちの前に立った綺麗なお姉さんは、キラキラの爪がついた指でスマホをいじってる。
その爪で頭とか洗ったりしてはるんかなあ。


足細いなあ、ええなあー。

…パンスト破れてる。







ぼーっとしてたら次、降りる駅やった。
そういえば音楽。

ウォークマンの電源も今日の朝きれた。
昨日の段階で電池1個やったから、やばいなーって思っててんけどなあ。
家帰ったら忘れてまうねんな。
朝いけると思ったら、あかんかった。





ウォークマンの「充電ないです」の表示と警告音、なんや知らんけど、イライラするわあ。
わかってる、うるさいなあって思う。






降りる駅。
ニヤニヤサラリーマンと、スマートじゃないおばちゃんも一緒の駅やった。
また会っても気付きませんように。

笑ってまうから。






なんでか「dマガジン」が言われへん渡辺直美のCMを思い出した。
渡辺直美と友達になりたい願望は誰よりも強いと思うわ。







あ、そうや、スマホの充電きれたんやった。
時間わからへん。


腕時計は仕事以外はあんまりしたくない。
なんか息苦しい。




でもこういうとき、スマホに頼りすぎてたなーって思わされる。







うちら人間は、「便利さ=豊かさ」って思ってる。
でもそれは、大きな勘違いやと思う。



ロボットが賢くなればなるほど、人間は漢字も書かれへんなるし、計算もできひん、地図も読まれへん、挙げ句の果てにはリモコンさえも取りに行かへんようになる。




24時間、1秒たりとも電波から逃げられなくなって、人間がロボットを支配しているように見せかけて、人間が支配されてるような気がする。







スマホの充電が切れなかったら、ここまで考えることはなかったやろう。
けど、スマホの充電が切れてなお、スマホのことを考えてる自分に気づく。




明日から1週間くらい、スマホなしの生活してみよっかな。










家に着いた。
返事せなあかん連絡きてたのを思い出して、細いコードとスマホをつないだ。



そのまま返事をして、友達とLINEして、スマホでアラームをかけて、寝た。









これが、日常やった。








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西加奈子さんみたいに書きたかった。

第9話 みなづき


6月。



高校時代、ふと疑問に思って、
「6月は梅雨の季節なのに、なんで水が無いって書くん?」
と、古典の先生に聞きました。


目が細くて、
背が低くて、
かわいくて、(というと失礼だけど)
大好きな古典の先生が教えてくれたのは、




「諸説あるんやけども、無は"の"っていう意味やねん。助詞の、"の"。
だから、本当は水の月ってこと。
田んぼに水を張る季節だから、そういう名前になったのよ。」

……そういうことやったんか…!
先生、すごいな……!!

と思った衝撃を、
わたしは今でも忘れません。




それを知ってる先生もすごいし、
ぱっと答えられたのもすごい。





ということを思い出していると、
"June"(6月)の由来知らんな…

ということに気づき、
先生として、
ひとりの教える立場の人間として、
そんな話もできるようになりたいなと思いました。










先日、
2年間インターンをしていたD×P(ディーピー)で
仲良くしてくれていたたくとと再会しました。


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彼は、大分県の湯布院にある
「時のかけら」というゲストハウスで
住み込みで働いています。




4月の熊本地震の話と、
ギターの話と、
わたしのユメの話と…


いろんな話をしました。


たくとは、
小さい頃からギターを弾いていて
しかもそれがクラシックギターなので
ピアノをやっているわたしと
話が合ったり合わなかったり…




彼と話していると
数え切れないぐらいの
気づきがあります。


 

その気づきの中で一番大きかったのは、
いかに自分のやりたいことを貫くか
ということで、
「いかに」という部分が重要です。





彼も、ギターを続けたいけど、
いまの状況じゃ難しいときもあるようです。
弾いてないと鈍ってしまうし、
地震があってギターどころじゃないし、
そのもどかしさが
いまの自分に似ているなあと思いました。


そしてたくとは、
穏やかで気を遣わなくていいなあ
とも思いました。
(たくとは4歳年下。笑)





そして話は変わりますが、
初めてカンボジアに行ったのは2012年8月です。
スタディツアーで参加しました。

総勢30人くらいの大所帯で、
あれから、全国に会いたい人が増えたんだなあと思います。
別の時期に参加した仲間たちも含めて、
昨夜再会しました。

もうすぐ、あの夏から4年。
あっという間に時間が過ぎてしまったけど
それぞれが一生懸命に自分の生き方を
貫いてるなあ
と、改めて、彼らを尊敬しました。


あのときの自分はどんなだったか忘れたけど
明らかに、変わりました。
どんな風に変わったかはわからないけど、
変わっていく中でもしっかりと
思い出は心にとどめておきたい。




「時間は待ってくれない」
という表現をたまに聞くけれど、
その時間の中でだれと過ごすか、
過ごす中で何を学ぶのか、
それによってわたしはいくらでも
つよくなれるなあとおもいました。




水無月がおわると、
2016年も折り返しにはいります。
1日1日丁寧に生きよう。



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つみきのいえ」より
 

さて、自分の絵本つくるぞ!

第8話 つつむ


こんにちは。
さえこです。

お仕事終わったなう〜
です。



そういえば、
職場まで1時間半くらいかかります。


と、言うと、
「えー!わたしやったら耐えられへん。」
みたいな反応をよく返されます。

「わたしもそれくらいー!」
みたいな反応もあります。


景色をみながらぼーーーーーっと
するのが趣味なわたしにとって、
この時間は苦痛ではありません。


大学もそれぐらいかかっていて、
「この時間もバイトができたら…」
と考えてましたが
いまはそれも思わなくなったなあ。

余裕がでてきたのかな。






さてさて、先週の思い出を書きます。

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鴨川です。
とーってもいいお天気で、
シロツメクサが道案内してくれました。





三条駅から一駅分あるいたところに、
「ミシマ社の本屋さん」という
小さな本屋さんがあって、
そこで装丁作業を
お手伝いさせていただきました。




そこを教えてくれたのは、
インターンをしていたNPO
広報担当さちさん。

京都に住んでいて、
素敵な本や場所を教えてくれます。






その本屋さんにいく4日前に、
とても会いたかった方にお会いして、
わたしの絵本の物語を読んでいただいて…

その感想がありがたくもあり、
悔しいのとよくわからないもので
もやもやしてました。




で、なんか、
新しく誰かに出会うのが
嫌になっちゃったんです。

自分をさらけ出すのが恥ずかしいというか、
いまはひきこもってたい
みたいなね。

「はじめまして、さえこです。」
って言うのも
しんどいなあ…
なんて思ってました。





でも、晴れてたし、
なんとなく行かなきゃいけないと思って
ドキドキしながら
なんとか到着しました。





装丁というより、この日は、
写真集をいれるケースづくり。


分厚い紙のような皮?を、
ぐしゃーっとを丸めて広げてアイロンがけ。
それらを型に合わせて折り込んで、
文字をいれていく。


人が触れると艶がでて
使い古した皮みたいになりました。




一過程、一過程に意味があって
ひとつひとつ誰かの手によって
つくられていく。

ひとりでもできそうな作業で、
だけど
ひとりじゃできない。


ひとりひとりが
違う力をもっていて、
知らず知らずに
発揮して、
ひとつひとつ
全然違うケースができる。


その過程が面白かった。





終盤になると、
わたしは最終段階の
文字のアイロン付けを担当しました。

文字は、不思議な粉でつけました。
アイロンであたためると
すーーっと紙にくっつく。

それをひたすらくっつける。



こういう、
端っこで黙ってもくもくとできる作業
大好きなんです(根暗)。




だから
いろんなケースに触れられたわけで、
ひとつひとつの
感触とてざわりが
心地よくてわくわくしました。


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こちらは写真家の吉田亮人さんによる、
バングラデシュのなめし革工場での
写真を綴った写真集と
写真展の案内リンクです。


5/31にはトークライブもあるらしいですが
行けなさそう…。
すごく残念…泣






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そして「偶然の装丁家」の著者
矢萩多聞さんにもお会いできて、
サインももらいましたー!!わーい!
(左の写真は吉田さんが撮ったもの)


この日は作業であまり話せなかったので、
いつかゆっくりお話してみたいな
と、勝手に思っています。


あと、
この「偶然の装丁家」の表紙が
ミロコマチコさんが描いたらしいです。

アートスクールの大先輩。





他にも、その場にいた方との出会いが
ありがくて。

ほんとうに素敵な日だったなあ。
 

ほわほわっと
やわらかいものにつつまれたような
そんないちにちになりました。



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「昨日みた夢の話をしよう」

昨日みた夢の話をしよう
大きな木が一本 こっちをみていたんだ
私はただ その木をみていた
暗闇からあなたが現れて
その木に歩み寄っていった

昨日みた夢の話をしよう
私はあなたを知らなかった
ただ その木とあなたをみていて
暗闇は 恐ろしくて
近寄れなかったんだ

昨日みた夢の話をしよう
私はあなたを知ってしまった
あなたは だれで
ほんとうに 夢だったのか

昨日みた夢の続きを知りたくて
あなたに ほんとうに 会いたくて
あの木の下で 待ってるよ

2016.05.04

第7話 はるになったので

 

桜が咲きました。

はるがきました。

 

 

さえこです。

 

 

1年を4つに区切って「春夏秋冬」。

2番目に好きな季節の、春。

 

好きな理由は

いのちのはじまりを目の当たりにできるから。

 

 

 

桜はもう散り始め、さんざん待たせておいて

儚く散っていくなんてずるいなあと毎年思います。

 

 

 

 

散る桜もまた美しい

だなんて

人間の心はうまい具合にできてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は、えほんのことを書きます。

 

 

 

 

 

わたしは、生まれも育ちも大阪で、

「田舎」なんてなかった。

 

ともだちが夏休みに

「いなか帰るねん。」

と言っていて、

鳥取とか鹿児島とか長野とか、

 

小学生の頃は、社会の教科書でしか触れられなかった土地に

ともだちは帰っていたわけです。

 

 

 

 

 

わたしは時々、大阪がキライになるときがあります。

 

大勢のひとがいて、

見渡す限り住宅が立ち並んでいて、

 

ひとびとは目の前を

わたしなんて存在しないかのように

交差していく。

 

 

 

別に知り合わなくたって生きていけるし、

知り合いたいというわけでもないけれど、

 

でも、どうしてこんなに冷たい気持ちになるんだろう

って不安な気持ちになります。

 

 

建物はコンクリートの塊で、

森や花みたいに

見ていて癒されるわけでもなく

 

ひとびとは、ただただ、急いでる。

 

息が詰まりそうになりながら、私も負けじと歩く。

 

 

 

 

せかせかと生きないと

置いてけぼりにされるような気がして

 

嫌々、せかせかしていました。

 

 

 

そんな中で、

 

「あさになったのでまどをあけますよ」

(あさになったのでまどをあけますよ | 偕成社)

 

を改めて読みかえしました。

 

 

荒井良二さん作のえほんです。

うちには2冊あります。笑

 

もともと持っていたところを、

姉のように慕っている人がプレゼントしてくれました。

 

 

 

 

自然にかこまれた、いわゆる「田舎」に住む男の子。

ビルやマンションが立ち並ぶ「都会」に住む女の子。

川のちかくに住む兄弟。

木の下で過ごす女性。

 

 

彼らは、

それぞれの住む町の良いところをみて

「ここがすき」

と口を揃えて言います。

 

 

 

 

都会に住む女の子は

 

まちは やっぱり にぎやかで

みんな やっぱり いそいでる

だから わたしは ここがすき

 

と言います。

 

 

 

都会なんて、都会なんて、

と思っていたけど、

 

 

にぎやかすぎて、ひとが急いでて、

それがキライやけど、これが大阪やもんな。

と考え直して

 

ここがすき・・・かもしれない

 

と思えるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなが急ぐから急いでいたけど

べつにゆっくりだって、前に進めればいい。

 

ひとが多すぎるくらいだけど

だから出会えた時の喜びが大きい。

 

 

 

 

季節は、春です。

ここの春を感じながら生きていきたいなと

改めて感じた今日でした。

 

 

 

ところで荒井良二さんの絵は

模写ができないぐらい、壮大です。

 

わたしも、わたしも、

誰にも真似っこできない絵を描きたい。

 

 

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はる。

 

不安と期待を、

 

別れのかなしみを、

 

出会いのよろこびを、

 

一輪の花につめこんで。

 

 

春。

 

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第6話 りくぜんたかた

 

 

前回の投稿から1か月がたちました。

2016年も、10か月をきりましたね。

 

 

「月2回以上ブログ更新」を目標にした

2016年のはじまりが懐かしいです。

 

 

(と、自分を焦らせてみる。)

 

 

 

 

 

 

さえこです。

 

雨。つまり引きこもりDAY。

 

 

 

 

 

 

先週、岩手県陸前高田市へ行ってまいりました。

 

「旅行」というよりは「帰省」に近い…。

Because先週が7回目の訪問だったからです。

 

 

 

わたしの家族はみんな、

集合!という掛け声から5分後には

おばあちゃん家に全員集合できるぐらい

近くに住んでいます。

 

だから、昔から夏休みとか冬休みに

「おばあちゃん家かえるねん~」

っていう友達が羨ましくて仕方なかったのです。

 

 

 

 

 

 

初めて陸前高田にお邪魔させて頂いたのは

2013年8月、うごく七夕まつりをお手伝いしたときでした。

 

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(写真は2014年8月。お手伝いさせて頂いている荒町祭組の山車)

 

 

ずーっと昔からの伝統行事で、

東日本大震災の影響もあって人手が足りないということでした。

 

関西でいうと「だんじり祭」に近く、

よそ者がだんじりの組に入ってわいわいやるのは

暗黙のルールでダメなのは知っていて…

 

 

 

地域が変わろうと、

そんな大切なお祭りに十数人が押し掛けて

本当に受け入れてくださるのだろうか

と、とても不安でした。

 

 

 

 

実際に陸前高田に到着すると、

テレビでみたのと同じ広い大地に圧倒され、

予想以上の暑さにやられながら、

 

街を歩きました。

 

歩きながら、おじちゃんやおばちゃんたちが

「ここには○○があったんだよ」

とか

「もうすぐおれの家があったところだ」

と教えてくれて。

 

街があったことを

想像しきれないぐらいまっさらな地平線でした。

 

 

「悲しみが覆った大地に

力強い太鼓の音が響き

優しい笛の音色がうたっていた」

 

そんな風に、日記には書いています。

 

 

 

 

結局、当日はわたしたちが一番

楽しんでいたように思います。

 

「楽しませてくれてありがとう。」

って言われるぐらいに。笑

 

 

 

 

それから、11月に再び訪れ、

 

翌年2014年にもお祭りを

お手伝いさせていただき、

 

認定NPO法人桜ライン311の植樹会へ行き、

 

またお祭りをお手伝いして…

 

 

 

としているうちに、

2016年3月11日がやってきました。

 

わたしは震災直後、

被災地を訪れる勇気がなくて

ボランティアじゃない立場で行きたい

なんて、何かと理由をつけて逃げていました。

 

 

 

 

震災がなければ、

あの街が被災しなければ、

わたしはそこに行くことがあったかどうか

わかりません。

 

 

きっかけは決して肯定できることではないですが、

それでもつながった人たちに

これからも会いに行きたい。

 

報道だけじゃなくて、

もっともっと現地の人たちの声を聞きたい。

 

被災地」としての陸前高田ではなく、

陸前高田のいいとこを、色んな人に知ってほしい。

 

 

 

 

海の幸は、いつも食べきれないくらい

食べな!って出してくれる。

 

 

「ただいま」って言うと

「おかえり」と言ってくれる人がいて、

 

「帰ります」って言うと

「また帰っておいで」と言ってくれる人がいます。

 

 

 

泣きそうなぐらい

あたたかい人がたくさんいる街なのです。

 

 

 

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海は青くて、

いのちの源なんだということを

教えてくれた場所なのです。

 

 

 

第5話 おんし

 

あめです。

 

昨日、すこしだけ春のにおいがしました。

 

あおっぽくて、

ちょっとしめっていて、

それでいてやわらかい、春のにおいがしました。

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

最近

ひきこもり気味のさえこです。

 

必要最低限、外に出てない。

 

 

 

 

 

 

昨日は、5年ぶりに高校時代の恩師とあってきました。

 

 

 

 

高校3年生のとき、

そう、5年前です。(まじか、もうそんな経つのか。)

 

 

受験生でありながらも

お金もったいないし、ペースを乱されるのがきらいだったので

予備校に行っていませんでした。

 

そこで、学校の先生に講習を開いてもらって、

休み時間や放課後に勉強を教えてもらっていました。

 

 

 

 

昨日会った恩師は、

1,2年生で担任をしてくれた、

講習も開いてくれた、英語の先生でした。

 

 

 

当時は、怖いイメージを持っていましたが、

「俺のこの教員っていう仕事は、飯食うていくための手段や。」

と、言い張りつつも、生徒想いなのはなんとなく感じていて、

 

 

修学旅行のことや、使っていた教科書まで鮮明に覚えていました。

特に、生徒の名前をたくさん覚えていました。

 

 

 

本当に飯食うていくためだけに先生やってたら、

卒業した瞬間に忘れてしまうでしょうに。

 

 

 

 

わたしが教師を志し始めたのも、

恩師に「先生やってみーへんか?」と、

言われたのがきっかけでした。

 

 

それまで結構適当に将来の夢を語っていたのですが、

このときはじめて「先生ってたのしそう」って思いました。

 

 

 

 

それまでは

宇宙飛行士になりたかったし、

ピアノの先生にもなりたかった。

CAにもちょっと憧れてた。

 

でも、どれも現実味がなかったし、

実際、それに向けて努力なんてしてませんでした。

 

 

 

宇宙飛行士は結構真剣に目指していたんだけどな~、

数学ができなさすぎた…。

 

 

 

 

 

 

 

それからは、進路の部屋に行くことが多くなりました。

 

色んな資料が揃っていて面白かった。

 

 

英語をちゃんと勉強できて、

教員免許もとれるところ。

あと、雰囲気がいいところ。

 

で、大学を選んで、ここにします!って決めて、

 

卒業して、大学でいろいろ経験して、

こうして「フリーター」をしているわけですが、

 

 

 

先生は、すごく応援してくれました。

 

「俺が23歳のときは、まだ大学3回生やぞ~」

とかって言って。

 (先生は2浪したらしい。)

 

 

先生が、先生になることをすすめてくれたので

どんな反応が返ってくるかドキドキしていたけど、

 

がんばっている姿をみせることが

何よりの恩返しになるのかなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

「卒業させた子らが、こうして会いに来てくれて

こんなんやってます!って言うのが、俺の自慢なんや。」

 

と帰り際に言っていたのが印象的。

 

 

やっぱり先生、生徒大好きやん、って思いました。笑

 

 

 

 

 

最近ひきこもり気味で

ほんとうに何も手につかない毎日です。

 

何かをがんばっている訳でもないけど、

何かをがんばりたいって全然思えない。

 

 

 

前まではこうなってしまうと焦っていたけど、

今はもう少し自分を待ってみようと思います。

 

 

 

 

 

あめがやんで

そとにでたら

 

またがんばれるかも

 

 

 

なんてね、自分に甘いね。笑

 

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2014年8月3日

絵を始めた「一日一絵」のいちまいめ。

 

下手っぴだけど、素直にかいてる。

いまはどうかな。

こんな風に、絵本をかきたい。

第4話 ぷれしゃす

 

今日は、高校で授業。

補講の日でした。

 

必要回数出席できなかった/しなかった生徒が

回数を満たすために、頑張って来てくれました。

 

 

・・・ひとりだけ。(笑)

 

 

 

「英語は中学レベルやし…」と言いつつも

わたしの話を聞いてくれて、

 

 

 

最後には「先生、わかりやすい!」

と言ってくれて、うはうはです。

めっっっちゃ嬉しかったです。♪

 

 

 

 

こんばんは、さえこです。

 

 

 

 

 

ただ、その生徒に

「でも先生、先生っぽくない!」

と言われてしまいました。

 

 

これは褒め言葉としてとらえます。

 

 

 

 

今日は夕方にも用事があると思っていたのが

勘違いでなくなった上に

ちょっとしんどかったので

家で映画をみました。

 

 

 

 

 

 

「プレシャス」という映画です。

 

 

容姿にコンプレックスをもった

黒人の女の子のおはなし。

 

母子家庭で生活保護を受給。

日々母から言葉の暴力を受けながら、

何かが変わることを望みつつ生活していました。

 

学力が低く、

授業にはついていけていない学校生活。

妊娠をきっかけに退学処分にさせられてしまいます。

 

 

そして、校長先生のアプローチによって、

あるフリースクールに通うことになります。

 

そこから学ぶこと・知ることに

喜びを感じるようになり、

以前よりも前向きに生きていく彼女が

どんどん笑顔になっていくのが印象的でした。

 

 

ただ、妊娠のきっかけが

実の父親のレイプでした。

 

 

このときまだ16歳の彼女が

既に一人出産していて、

 

のちにわかるHIVの感染だったり、

同性愛者の存在だったり。

 

DVを与えていた母親の心境。

ソーシャルワーカー目線の心境。

問題を抱えた子を担任する教師の心境…。

 

 

今の日本でも見て見ぬふりはできない問題が

たくさんつめこまれていて、

もやもやが残る映画でした。

 

 

 

 

 

 

 

この映画はアメリカが舞台でしたが、

日本も実は義務教育があるにも関わらず

識字率は100%ではありません。

 

 

 

 

一度、授業でマララさんの演説を

取り上げたことがあります。

 

その時

識字率が低かったら、なんであかんのですか?

文字が読み書きできんかったら、何が困るんですか?」

と、

生徒から純粋にぶつけてくれた質問に

つまってしまいました。

 

 

 

そこでは

履歴書かかれへんし、

学校でもテスト受けられへんやん

ってことで納得してくれましたが

 

 

それが私の言いたかったことかどうか

今でもよくわかりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

まだまだ、

知らない世界があるんだなーと

今日はぼーーーっと考える時間がありました。

 

しあわせだった。

 

 

 

 

この映画に出てくる先生のように

生徒をいとおしくみつめられる

余裕を持とうと思いました。

 

 

 

 

「プレシャス」

 

日本語で「宝物」という意味です。

自分の子どもでなくとも

子どもたちは宝物だとおもいます。

 

自分もまだまだ、子どもだけれど。

 

ラストにはこの題名の意味が

すっと理解できました。

 

 

とてもおすすめしたいですが、

暴力やよくない言葉が飛び交うので、

そういうの苦手な方はお控えください。

(わたしも苦手だけど) 

 

 

 

 

 

 

明日はスクールに行って

ラフ画を完成させるぞ!おー!

 

 

 

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 「ふゆのかぜ」

 

ちくちくささるふゆのかぜ

 

いたくないのよ

ちくちくするけど

 

わたしのほっぺはあかくなって

 

こころがほんのりふくらんで

 

ぽかぽかしてるの

かぜはふくけど

 

あなたがわたしをみているから

 

 

(絵はまだ描けておりません)